本の買取は駆け引き

古本屋に来て最も嫌われるお客さんは、本を買取するときに1冊ずつ、本の品定めをするために値段を聞いてくる人でして、他店ではいくらで買取してくれるとか、購入したときは数万円も下など、いちいち細かい値段を口にしてくるお客さんがいます。

そのような状況に遭遇したら、まずは下手に口を挟まないで、一言「でしたら、東京に売るに行って下さい」と、少し上から胸を張って言って上げましょう。

これは客との駆け引きでして、本を仕入れるためには必要なことなので身につけておくと良く、簡単に「そうですか」とか「もう少し高く買取します」など、弱気になってしまっては、相手のペースにのまれてしまい思うつぼです。

本の買取は、全て売り手との駆け引きでして、特に弱気になる必要はありませんし、むしろ楽しむぐらいの気持ちの余裕をもつべきで、日本人の多くは自分が悪くないのに相手のことを考えてしまい、傷つけてしまわないように考えてしまいがちです。

本が好きで古本屋の商売を始めたのでしたら、本を買取するときや仕入れる時が一番に楽しいと思うはずですし、どのような本と出会えるのかと考えると、興奮してくるからです。

また、古本屋さんにセドリをするために言って、1冊の本を探し出すよりは、大量の本の山が目の前にあるのですから、嬉しくないはずがありません。

買取価格は売り手との勝負

本の買取をするために、玄関などにまとめておいてくれると作業が楽で助かるのですが、その本の中から買取出来る本とできない本に分けるようにし、総額でいくらになると伝えてしまうと、1冊あたりの金額を計算して、安いと勝手に判断されてしまいますので、値段を付けて買取できる本と、値段の付けられない本を分けて、はっきりとこの分はゼロ円で引き取ることを伝えた方が良いです。

それから、本の買取金額を伝えるのですが、その本の持ち主が本人であるかで値段が変わるもので、大量に本がある場合は「よく勉強なされましたね」と一言お誉めの言葉を述べると、何かしらの返答があるものですから、そのないいようによって値踏みを変えます。

例えば、「故人のもので古い本は誰も読まないのでお願いします」と奥さんが言ったのであればしめたもので、本人が蔵書の買取依頼をするのであれば、その本に対する愛情や、大金を払って購入した費用も全て分かっていますので、売値を付ける時には慎重になります。

しかし、本人ではなく既に他界した人の本で、しかも家族が誰も本を読まないときは、しめたものでして、査定して買取金額を伝えると、ほとんどの家庭は「そんなに!」と喜んでくれるのですが、嬉しい思いと、もう少し安く本を買取しても良かったと思います。

しかし、このような本は粗末に扱われている可能性があり、自分が購入した本ではないですし、誰も必要としていなかったので、邪魔者扱いをされて追いやられていた本の事を考えると、保存状態が気になるところではありますし、状態が悪ければ清掃するための費用や時間を裂くことになりますので、十分に気をつけなくてはなりません。